訪問美容師という働き方
ご存知の方もいるかと思いますが、入院中や老人ホーム、自宅療養されている方の髪の毛はどうケアをしているでしょうか。
出張?訪問?福祉?
筆者も実父の自宅介護中に近所の行きつけの床屋さんに来てもらった事がありましたし、入院時はボランティアで切ってもらった事も病院から紹介された訪問の床屋さんに切ってもらった事もありました。
その様に移動のできない人の為に、出向いて施術をする美容師・理容師がいます。
こちらをご覧いただいている方はご存知かと思いますが、免許取得時に勉強した通り、教科書に記されていた様にやむを得ず移動ができない場合と言う縛りがある為、若い健常者の方にファッション性の高い施術をする事は無く、客層年齢層は限られています。
出張を専門にする人、お店を営業する傍らご要望に合わせて稼働する人、個人で、会社で、と働いている形態は様々です。
今後の需要
給料と働き方の一例
稼働力(出勤日数)や貢献度で時給は変わっていました。
最初に研修を受け、ほとんどの事は実地で教えてもらいながら覚えていくような感じでした。
1日の流れは、
朝、その日に訪問する施設に集合、もしくは、最寄り駅から車に同乗して向かい、
施設から定められた場所を借りて、荷物を下ろしセッティングをします。
職員さんが順番にお客様を順番に連れて来てくださるか、お迎えに行くか、施設の方針に合わせてお出迎えし、施術をします。
部屋に出向く場合もあります。
途中休憩を取る日も取らない日もありますが、予約いただいていたお客様の施術が全部終わったら、全てのセッティングを片付け、お借りした場所を元通りにして終了、解散です。
事務所の様な場所に出勤するのでは無く、直行直帰でした。
美容室で働いている時とは違い、「お店を開けている間」と言う感覚ではなく、その日のご予約を確実に終わらせる。と言う感じなので、予約数によって早く終わる日、遅くまでかかる日と様々で、終業時間と結果的にいただく給料の不安定さはありました。
主婦の方は、何時まで、と。途中で帰る人もいました。
自分でやるとしたら
お店を作りオープンする事と比較すれば、遥かに初期投資は少なく済むかと思いますが、必要最低限と考えても持ち込む荷物があるため、車があって、何処でも行けるスキルは必須です。
また、美容師以上の資格は無くできますが、身体が不自由な方や認知症の方等に触れる際に専門知識や経験が必要になるかと思われます。
そして、何かあった時の責任を自分で取る覚悟と準備、集客、営業方法、差別化をどうするかなど練ることは沢山あります。
老人ホームなどは、大手企業と提携していている。
既にボランティアの方が入っている。
と個人が入る隙が無いと言う話も多々聞きます。
良い点
慣れれば、何処でもどんな所でも、施術ができるのも美容師として1つ出来る事が増え強みになると思います。
悪い点
筆者もしばらく働いて、とても楽しいくやりがいも感じるけど、
「これだけになってしまうのはまずいのでは。」と不安になり、美容室と兼務に戻した経験があります。
御高齢のお客様との接客・施術が主になると、若い方の流行や今の美容室での主流に疎くなってしまいます。
また、稼働する日は確実に移動と荷物の出し入れが伴うので、体力が無いと厳しいです。
特に、腰痛のある方は、重い荷物の運搬に加え、上下のできない椅子や車椅子、体勢が真っ直ぐでない方への施術がかなり腰に負担がかかるようでした。